皆さん、こんにちは。
8月も終わって少し涼しくなり過ごしやすくなりましたね。
今日は大きな台風が関東に近づいてきています。いまのところ銀座あたりは強い雨や風も感じられませんが。
さて、今日は両顎手術における骨格のデザインについてのお話です。
両顎手術、すなわちルフォー1型骨切り術(ルフォー)および下顎枝矢状分割術(SSRO)もしくは下顎枝垂直骨切り術(IVRO)を指す言葉ですが、その手術手技は当然長い経験を得て習得してゆくもので、ベテランの先生が行えば手術手技自体の成功率は高くなります。
では手術の結果 の成功率(患者様の満足度)を高くする要素はどこにあるのでしょうか?
それは両顎手術の目的により異なってきます。
目的は大きく3つのグループに分けられます。咬合や睡眠時無呼吸などの機能的な改善を目的とするもの、審美的な改善を目的とするもの、そしてもう一つは機能的な改善と同時に審美的な改善を目的とするものです。
今回は審美的な改善を目的とする両顎手術の成功率を高くする要素についてお話しします。
基本的に手術手技は同じと考えた場合、両顎手術の成功率を高くする要素は 骨格のデザイン、そのデザインの再現性にあると考えられます。
骨格のデザイン
すなわち前顔、横顔、斜め顔をどのような形にするのかということです。基本的には正面顔の縦の3分割比、横の5分割比、黄金比、白銀比など、横顔におけるパーソナルビューティーインデックス、Schwarzによる写真解析などなどを参考に顔の形を決めますが、そこに患者様のセンス、好みが手術の結果の要素として加わります。そして一番大切な要素がこの患者様のセンス, 患者様の好みなんです。
正面顔の縦の3分割比、横の5分割比、黄金比、白銀比など、横顔におけるパーソナルビューティーインデックス、Schwarzによる写真解析などは後日お話ししますね。
両顎は発音、咀嚼、呼吸など大切な機能を有している場所です。その機能を損なうことなく患者様の希望に限りなく沿った形の骨格のデザインを行うことが重要なんです。そしてシミュレーション写真の作成はその為に行います。予想図ではなく患者様と仕上がりのイメージを共有するために行うものなんです。
綺麗系を目指すか?
カワイイ系を目指すか?
お顔の長さだけでも患者様の好みは分かれます。
デザインの再現性
骨格の形が決まったら、その形を手術で再現しなくてはなりません。
どんなに良いデザインであっても、それが三次元的に再現できなくては手術の結果の成功率は低くなります。
デザインした通りに頭蓋から切り離した上顎を動かして、位置を決めて固定しなくてはなりません。
両顎手術の結果の成功はこの上顎の位置決めにかかっていると言えます。
マックスでは術前にデザインした形の再現性を高めるため、ワシエスメディカルと共同開発したMSP(Maxillary Segment Positioner), CLS(Cross Laser System)などの両顎手術専用のデバイスを用いてデザインした通りに上顎を位置決めしてます。