段々と寒さにとげがなくなって、ときおりやわらかい空気を肌に感じるようになりました。
春の訪れとともに花粉もやってきたようですが・・・。
さて、今日は中顔面短縮と歯の見え方のお話しです。
もともとガミースマイルでない人が中顔面短縮をすると、話したり笑ったりした時に上顎の前歯が見えなくなって般若のような顔になるとネットに書かれているということを患者様からお聞きすることがあります。
中顔面短縮はLe Fort 1型骨きり術で行いますが、上唇と上顎前歯の関係を無視して上顎骨だけを上方に移動すると、もともとガミースマイルの人でない限り歯の見える量は減少してしまいます。
カミースマイルでない方の中顔面短縮は色々と工夫をしながら上顎移動後の軟組織、上唇や頬、口角などの引き上げの処置に改良を加えてまいりましたが、現在は以下のような処置をすることで良好な結果が得られるようになりました。
上顎骨には前鼻棘という部位があります。この部位は鼻柱の基部であり、上唇の基部でもあります。Le Fort 1型骨きり術で上顎骨を固定した後に上方に移動したに応じて上唇の筋肉を引き上げて前鼻棘に縫合します。
そのほか上顎骨の移動量に応じて大頬骨筋や小頬骨筋も引き上げておくことで中顔面短縮後に歯が見えなくなることを防ぐことができます。
顔のゆがみの修正と同時に中顔面短縮を行った症例です。上顎骨の上方移動量はUI(上顎中切歯切端)で5.4mmです。術後まだ3ヶ月ですので全体的にまだむくみが残っていますが、口角をあげ、歯を見せて、かわいらしい笑みを浮かべることが可能です。半年もすれば歯茎の境目あたりまで上唇はあげられるようになるでしょう。
とてもかわいらしい女性で目をお見せできないのがとても残念です。
Le Fort type 1 osteotomy+SSRO+オトガイV字骨きり+鼻骨内側外側骨きり術