みなさんこんにちは。
今日は前歯の見え方と中顔面短縮のお話です。
話したり、笑ったりした時の前歯の見え方って気になりますよね。
日本の昔の習慣として”お歯黒”がありますが、今の口元文化とは大きく異なります。
なぜ黒くしていたのでしょう。現代人からすると笑った時に黒い歯が見えるのってちょっと怖いようにも感じるのですが。
江戸時代には既婚女性の証としてお歯黒をする風習があったようで、なんと虫歯予防の効果が高かったことが判明しているようです。
ルフォーで中顔面短縮術を行うと上顎が上方に移動するため歯の見える範囲が縦方向に狭くなります。上顎を上方に移動しすぎると上顎前歯がほとんど見えなくなってしまい、まるでお歯黒をしているかのような口元となり、現代においては”老けて見える”と言われてしまいます。
そのようなわけで、ルフォー1型骨切り(以下ルフォー)での両顎手術による中顔面短縮術の適応は基本的にガミースマイルになる人ということになります。ガミーの量に比例して中顔面短縮量も大きくできます。
それではガミースマイルでない人は中顔面短縮はできないのか?
上唇挙筋および口角挙筋引き上げ、大頬骨筋短縮術、人中短縮術などで人中を短くすれば歯は見えるようになるのではないかと思ってしまいますが、実際のところ術後にこれらの施術を行なっても笑ったり、話している時の前歯の見えぐあいは対して変わりません。なぜならば上唇が短くなると笑ったり、話したりする時の上唇の収縮量も短くなるからです。
ではどうすれば良いか。
答えは上下の前歯(上顎321|123,下顎321|123)を歯列矯正と手術の コンビネーションで下に移動させる前歯部プッシュダウンを行うことです。この方法で上下の前歯を3mm程度は下に移動できますので、最低でも3mm、上唇挙筋および口角挙筋引き上げ、大頬骨筋短縮術、人中短縮術と組みあわせると4mm〜5mmの中顔面短縮を行うことが可能となります。
上顎前歯ワイヤー矯正、下顎前歯非抜歯Köle法による前歯部プッシュダウン法
ルフォー術前
ルフォー術後 中顔面短縮量5mm
この症例は両顎手術で5mmの中顔面短縮を行っていますが前歯はしっかりと見えています。
前歯と奥歯の間に多少の段差ができますが機能的にも審美的にも問題はありません。