前回の続きです。
前回は両顎を横顔において両顎手術で時計方向に回転させるとどうなるかを説明しました。
では反時計方向に回転させるとどうなるのでしょう?
答えは下顎が全体的に前方、下方に移動しますので、ポゴニオン(下顎の先端)も前下方に移動します。
アゴが引っ込んでいている人に対して行うことが多く、オトガイ形成をすることなくポゴニオンを前方移動できますが、お顔の長さは長くなります。回転させすぎるとせっかく両顎手術で中顔面を短縮したのに顔の長さがあまり変化がない、口が閉じれない(開咬)といった結果になります。
回転前 顔面長118mm
反時計回転後 顔面長120 mm
回転の中心をどこにするかでも結果は変わってきます。マックスでは上顎の切歯点(両側中切歯の先端)を中心に回転をさせます。セファロ分析ソフトやシミュレーションソフトおよび上顎の位置を決めるデバイス(MSP)と連動させるためです。
両顎のどこを中心に回転させても上顎骨を機能的で見た目も良い位置に移動させることが重要ですが、現実的には当院のMSPのようなデバイスがない限り正確に回転をかけることは非常に困難な作業となります。