こんにちは。
今日も中顔面短縮の話を少し。
中顔面短縮術を始めた頃の話ですが、術後の患者様から術後鼻が曲がったと言われたことがありました。
Le Fort 1型骨きり術で上顎を上に移動させるとき、上顎骨(鼻腔底)が鼻中隔軟骨を圧迫して湾曲してしまうことがあります。そのようなときは鼻中隔が湾曲しないように上顎骨(鼻腔底)と鼻中隔軟骨を切除して湾曲しないようにします。
その患者様も当然そのような処置はしており、術後のレントゲンを見ても鼻中隔の湾曲は認められませんでした。患者様のお顔をよく見ると確かに鼻が曲がっています。どうしてかなと思いながら術前の正面写真を見てみると鼻筋はまっすくなのですが、鼻の付け根から鼻尖にかけて少し曲がっていました。
術前は面長なお顔でしたので目立たなかったのです。
鼻の付け根と鼻尖とアゴの一番下を結ぶ線は直線であるのが望ましいのですが、中顔面〜下顔面が短くなったことによりもともと縦長の三角形であったものがより三角形になってしまったので術前よりも鼻が曲がって見えるようになったのです。
この患者様には理由をお話しして鼻骨内側外側骨きり術をおこない斜鼻修正をいたしました。
その後、中顔面短縮をするときは必ず鼻筋が曲がっていないか確認するようになりました。いまはシミュレーションソフトで術後のお顔をある程度予測できますので中顔面短縮と同時に鼻骨内側外側骨きり術をおこない斜鼻修正をおこなっています。
High cut le Fort 1型骨切り術、SSRO、オトガイ形成術、鼻骨内側外側骨切り術の症例です。
術前の写真では鼻尖と鼻柱基部が右側にずれてます。このまま中顔面短縮を行うと鼻がすごく曲がって見えるようになります。術前からとても美しい方でしたが、術後は少し童顔になり可愛い感じのお顔になられました。
術前よりもエラが小さくなっていますが、エラ削りは行っていません。Le Fortの骨切りとSSROのコンビネーションで上下顎の上方移動を行うときにこのようにエラも小さくするデザインをすることも可能なのです。
どうしてか?
そのお話しはまた次回のブログで。
A bientôt!